NISAで買った商品も価格が下がるので、100万円で買った資産が80万円になることはあります。非課税は利益への税金の扱いで、元本を保証する意味ではありません。含み損と売却で確定する損失を分けると、画面の数字が何を示すか理解できます。
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非課税でも、商品の価格は動く
NISAは投資商品の名前ではなく、一定の要件で取得した商品の配当や売却益を非課税にする制度です。どの商品を買ったかによって価格は動きます。株価が下がる、投資先の資産価格が下がる、外国資産の為替が動くなど、商品の値動きは口座の税制とは別に起こります。
例えば100万円で買った商品を、後に120万円で売れば、差額は20万円の利益です。NISAの対象となる売却益なら、この利益への税が非課税になります。反対に80万円で売れば、差額は20万円の損失。非課税という仕組みが、その20万円を補ってくれるわけではありません。

100万円が80万円でも、持っている間と売った後は違う
元本100万円を一度に投資し、評価額が80万円になるまで追加購入や一部売却はなく、分配金・手数料もない説明用の仮定です。将来の値動きや実際の運用結果を示すものではありません。
| 状態 | 100万円に対して何が起きたか |
|---|---|
| 80万円の評価額で保有中 | 取得額との差20万円は含み損。今後の評価額は変わり得る |
| 80万円で売却 | 手数料等を除けば20万円の売却損が確定し、売却代金80万円を受け取る |
保有中の評価額は、その時点の価格を基にした金額です。「売っていないから損は存在しない」わけではなく、今換金したら取得額より少ない状態にあります。一方、画面の評価額と実際の売却代金がいつも完全に同じとも限りません。投資信託は売却を申し込んでから基準価額や受取額が決まることもあり、商品ごとの仕組みで確認します。
20%下がった後、20%上がっても100万円には戻らない
100万円から80万円への下落は、20万円÷100万円=20%です。ところが、80万円が20%上がっても、増えるのは16万円で、合計は96万円。元の100万円に必要な20万円は、80万円の25%に当たります。
| 計算する場面 | 基にする金額と割合 |
|---|---|
| 100万円→80万円 | 20万円÷100万円=20%の下落 |
| 80万円→100万円 | 20万円÷80万円=25%の上昇が必要 |
同じ20万円でも、割合を計算する元の金額が違います。これは算術上の関係で、25%上昇する見込みや、いつ元に戻るかを示したものではありません。下落後に追加投資をした場合も、口座残高が100万円へ戻っただけでは、運用で20万円を取り戻したとは言えません。新しく入れたお金を分けて見ます。
NISAの売却損は、ほかの口座の利益と相殺できない
国税庁の案内では、NISA内で生じた売却損は、特定口座や一般口座の上場株式等の利益・配当等との損益通算や、損失の繰越控除ができません。利益が非課税である一方、損失を他の課税口座の税額計算へ使うことはできない扱いです。
税務上「損失はないものとみなす」という表現は、現実に減った20万円が消える、または戻るという意味ではありません。手元の損失と、税金の計算で扱える損失を区別します。
今の生活に使う日と、値動きの理由を分けて考える
下がったから一律に売る、長く持てば必ず回復する、と口座名だけでは決められません。何を保有し、どの資産や為替の変化を受ける商品か。近く使うお金を入れていないか。投資先の説明書や口座内訳を見れば、NISAという表示だけでは分からない条件を確かめられます。
100万円が80万円になった理由を理解する出発点は、税制と商品の値動きを分けることです。評価額の20万円の差、売った場合の損失、元へ戻るのに必要な割合はそれぞれ違う数字です。非課税だから減らないとは考えず、保有商品の性質と、使う時期に合わせて判断します。