税金や保険の説明を読んでも、何が自分に関係するのか分からない。FP3級は、暮らしのお金を分野ごとにつなげて学ぶ入口になります。独学では、用語を覚える学科対策と、資料を読んで判断する実技対策を、同じ分野で往復するのが進め方の軸です。

学びたい範囲を決め、試験の仕組みと苦手な分野から、自分の準備を組み立てましょう。

美緒が家計に関わる書類と教材を照らし、FPの知識をノートに整理する
目次
  1. 勉強時間は、目指す理解の深さとセットで見る
  2. 学ぶのは、税金だけでなく暮らしを支える6分野
  3. 6分野はまず一周。公開学科では各10問ずつ
  4. つまずく内容は「制度の混同」と「計算の読み違い」に分ける
  5. 教材は年度と実技科目をそろえ、分野ごとに往復する
  6. 試験概要:学科と実技の両方を、会場のパソコンで受ける
  7. 年3回の筆記ではなく、休止期間を除く随時試験
  8. 仕上げは90分・60分で解き、CBTの操作も確認する
  9. 出典・確認した範囲

勉強時間は、目指す理解の深さとセットで見る

資格学校の説明には、2級への学習や実務での活用まで見据える場合、80〜150時間ほどという目安があります。これは教育事業者の学習上の目安であり、知識ゼロの人がその時間で必ず受かるという実測結果ではありません。

時間の目安より先に決めること
確認すること勉強へつなげる方法
何を分かるようになりたいか給与の税金、年金、保険など、自分の疑問を一つ書く
どこまで知っているか公式問題を見て、用語・制度・計算のどこで止まるか確認する
何を練習するか分野ごとに学科で仕組みを理解し、実技で資料や条件を読む

80〜150時間はTACの「2級以上や実務活用を見据える学習」の目安です。

最初から受検日までの日数だけを割り算しても、苦手な内容は見えてきません。学習を始めたら、読んだ範囲ではなく、問題を解いて説明できた範囲を記録します。時間は進み具合を振り返る材料にし、足りない知識を見つける方を優先しましょう。

学ぶのは、税金だけでなく暮らしを支える6分野

公式の学科範囲と、暮らしで見えること
分野知識を使う場面
ライフプランニングと資金計画社会保険・年金・ローンなど、将来と今の支払いを整理する
リスク管理生命保険や損害保険の仕組みを読む
金融資産運用預貯金と投資の違い、商品の特徴を確認する
タックスプランニング所得や控除、申告の仕組みを理解する
不動産住まいの取引や税金の基本を知る
相続・事業承継相続・贈与の仕組みや関係する税を学ぶ

たとえば年金の章は老後だけの知識ではなく、働き方と社会保険を考える土台になります。保険の章を読めば、契約の名称だけでなく何に備える商品かを確認しやすくなります。試験の知識を自分の書類の「どの項目に関係するか」へ結び付けると、学ぶ目的がはっきりします。

6分野はまず一周。公開学科では各10問ずつ

特定の分野だけに絞らず、全6分野の基本を学んでから、誤答が多い分野へ戻りましょう。日本FP協会の2026年5月公表の学科1セットを整理すると、各分野は正誤式5問と三答択一式5問の計10問でした。「税金だけ覚えればよい」といった偏りは避けたい構成です。

2026年5月公表・学科60問を分野ごとに整理
分野該当する問題番号・問題数
ライフプランニングと資金計画問1〜5・31〜35:10問
リスク管理問6〜10・36〜40:10問
金融資産運用問11〜15・41〜45:10問
タックスプランニング問16〜20・46〜50:10問
不動産問21〜25・51〜55:10問
相続・事業承継問26〜30・56〜60:10問

表は公開された1セットの観察です。今後のCBTで同じ問題や細かな配分が出る保証ではありません。実技の同公表分は20問・各5点と示されていますが、学科の分野別問題数を実技の配点へそのまま当てはめることはできません。

つまずく内容は「制度の混同」と「計算の読み違い」に分ける

難しい分野の順位を決めるより、自分が制度の条件を混同しているのか、式に使う数字を選べていないのかを見分けます。公開問題でも、制度の対象や期限の確認と、資料から数字を取り出す計算が問われています。分野ごとに次のように練習すると、丸暗記だけで止まりにくくなります。

6分野の具体的な対策
分野・整理する内容練習するときの手順
社会保険・年金制度名、対象者、給付を受ける条件を表にする。問題の年齢・働き方・家族関係を先に読む
保険誰が契約し、誰に保障があり、誰が受け取るかを分ける。保障内容と税金の問題を混ぜない
金融資産運用利回りや投資指標は、何を何で割る式かを説明する。年率・金額・割合の単位を確認してから計算
税金収入から所得を求める段階、所得控除、税額控除を順に整理。どの段階の金額を問うかに印を付ける
不動産面積の規制、取引のルール、税金を分ける。建物の面積と土地の面積を取り違えず式を立てる
相続・贈与親族関係を図にし、相続人と各人の関係を確認。その後に割合や課税の条件を当てはめる

計算ではいきなり電卓を使わず、「求めるもの」「資料のどの数字を使うか」「単位」「式」を書いてから解きます。制度の正誤問題では、答えが×なら、どの語句や条件を直せば正しくなるかまで説明しましょう。正解番号だけを覚えても、条件が変わると対応しにくくなります。

教材は年度と実技科目をそろえ、分野ごとに往復する

テキストで仕組みを読み、同じ分野の学科問題と実技問題を続けて解きます。6分野が終わるまで問題を解かずに待つ必要はありません。まず一分野ずつ基本を学び、使い方を確かめながら全体へ進みます。

テキストは制度と用語を理解するため、分野別問題集は苦手の発見と修正のため、公式公開問題や本番形式の模擬問題は通して解く確認のために使います。実技では、家計の収支表、保険の資料、金融商品のデータ、親族関係図などから必要な情報を読む練習をします。申し込む実技科目に対応する問題集を選んでください。

誤答メモを次の練習へつなぐ
原因次にすること
制度・用語を知らない該当する説明へ戻り、対象・条件・期限を整理し直す
似た制度を混同違う点だけを並べ、問題の条件ではどちらを使うか答える
資料の読み落とし人物、時点、単位、問われる金額に印を付けて解き直す
式・計算の誤り式の意味と単位を確認し、答えを隠して画面電卓で再計算する

試験概要:学科と実技の両方を、会場のパソコンで受ける

3級の受検資格は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」です。日本FP協会・金融財政事情研究会(きんざい)のどちらで受けるかを決め、申込先の要綱を確認します。実技も面接ではなく、試験センターのパソコンで資料や条件を読んで答える試験です。

FP3級の科目・時間・合格基準
科目試験内容と合格基準
学科・両団体90分・60問。正誤式と三答択一式。60点満点の36点以上
日本FP協会の実技資産設計提案業務。60分・20問・多肢選択式。100点満点の60点以上
きんざいの実技個人資産相談業務または保険顧客資産相談業務。60分・事例形式5題。50点満点の30点以上

学科と実技の両方に合格して取得します。実技の選択肢は団体ごとに異なりますが、取れる資格の級が変わるわけではありません。教材を買うときは、「3級」だけでなく「資産設計提案」「個人資産相談」「保険顧客資産相談」のどれに対応するかも見ます。学科だけを勉強して受検準備を終えないようにしましょう。

年3回の筆記ではなく、休止期間を除く随時試験

学科・実技ともCBTへ移行しており、自宅ではなく予約したテストセンターで受けます。学習が仕上がる時期と休止期間を照合し、空いている会場・日時を予約します。

2026年10月21日から見たFP3級の受検日程
区分公式案内の内容
実施頻度休止期間を除き随時。受検できる日時は会場の空席による
直近の受検可能期間2026年10月〜11月、12月1〜27日。年明けは2027年1月6日から
今後の休止期間2026年12月28日〜2027年1月5日、2027年3月25〜31日
日本FP協会の予約受検月の3カ月前の月初〜受検日の3日前(受検月を含む4カ月の範囲)。予約画面の空席から選ぶ
きんざいの予約申込日の3日後以降、3カ月先の月末まで。科目・日時・会場を選ぶ

申込先は日本FP協会の「2級・3級FP技能検定(CBT試験)」、または、きんざいの「3級試験要綱」から案内される受検者サイトです。学科と実技を予約したか、実技の科目、日時が重なっていないかを確認しましょう。申込期限だけでなく、希望会場の空席も必要です。

仕上げは90分・60分で解き、CBTの操作も確認する

学科は90分、実技は60分で、解説を見ずに最後まで解けるか確かめます。受検者向けのCBT体験で、画面の切替えや画面上の電卓も確認してください。私物の電卓は試験ブースへ持ち込めません。本人確認書類の原本と、予約した会場・集合時刻も確認します。

知識ゼロから独学を始める順番
  1. 最新の要綱と公式問題を見る
    方式・学科と実技・予約可能日を確認します。古い年3回の筆記試験を前提に計画しません。
  2. 一つの分野を仕組みから読む
    用語の意味を確かめ、その後に学科と実技の問題を解きます。
  3. 間違いの理由を分ける
    制度を知らないのか、条件の読み落としか、計算の間違いかを分けて戻ります。
  4. 両科目を通して確認してから受検へ
    時間内に解き、苦手が残る分野とパソコンでの操作を確認します。

税や社会保険は改正があります。教材は対応年度と試験の法令基準日を確かめましょう。学習で知った制度を実際の申告や契約に使うときも、本人の条件とその時点の公式情報へ戻って確認します。

目標は、時間を消化することではなく、お金の説明を分野ごとにつなげて読めること。自分の疑問から入り、学科と実技を往復して、理解できた部分を増やしていきましょう。

出典・確認した範囲

資料確認日:2026年10月21日。80〜150時間は2級・実務活用を見据えた教育事業者の目安。学科の分野別10問と実技各5点は2026年公表の1セットで確認。問題文・解答の転載はせず、練習方法を編集部で整理しています。

この記事の登場人物

美緒のイラスト

美緒29歳

住まいや固定費を見直し、自分の暮らしに合う家計を考える。

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