失業や休職で収入が止まったら、次の家賃は今あるお金で払えるでしょうか。生活費が月15万円なら、3か月分は45万円、6か月分は90万円です。ただし貯金の目標は「何か月分」が正解かより、次の入金までの支払いを切らさないことから考えます。

美緒が予定表と預金残高を見て、収入減に備える現金を考える
目次
  1. 月15万円なら、まず支払いが何か月続くか
  2. 離職して働けるなら、雇用保険をハローワークで確認
  3. 基本手当は退職前の収入の何割?年齢と上限で変わる
  4. 28日分の目安と、最初の入金日は分けて考える
  5. 病気・けがで休職するなら、加入先の健康保険を確認
  6. 失業後に国民年金保険料が負担なら、免除を申請できる場合も
  7. 出典・例の条件

月15万円なら、まず支払いが何か月続くか

家賃、食費、光熱費、通信費、保険料、税など、収入が減っても払うものを書き出します。月15万円を使い、ほかの入金がない説明用の例なら、次の現金が必要です。

月の必要な支払いが15万円の例
収入がない期間支払いに必要な現金
3か月45万円
6か月90万円

3か月・6か月は誰にでも当てはまる基準ではありません。家族の収入や扶養する人、次の仕事・復職の見込みで期間は変わります。口座にあるお金のうち、近く払う年払い・税金・カード代は先に分け、今日から生活費に使える現金だけを見ましょう。

離職して働けるなら、雇用保険をハローワークで確認

雇用保険の基本手当は、加入していた人が離職し、働く意思と能力があり求職するなどの要件を満たす場合に対象となります。離職票を受け取ったら、住居地を管轄するハローワークで求職申込みと受給資格の手続きをします。加入期間や離職理由も判定されるため、離職した全員が同じ時期・金額で受け取れるわけではありません。

基本手当は退職前の収入の何割?年齢と上限で変わる

基本手当は「年収の何割」をそのまま受け取る制度ではありません。離職前6か月の毎月決まって支払われた賃金を合計し、180で割った賃金日額をもとに、1日分の基本手当日額を計算します。賞与や手取り額を基準にする計算ではありません。2026年8月1日からの基準では、賃金日額に対する給付率は59歳以下でおよそ50~80%、60~64歳でおよそ45~80%です。賃金日額が低いほど率は高くなります。

次の図は毎月同額の額面給与を6か月受け、賞与がないという説明用の仮定です。横の「年収換算」は額面月給×12を表示しただけで、制度が年収そのものを使って計算する意味ではありません。30歳と62歳で比べると、同じ給与でも受け取る日額と率が異なります。

年収換算別の支給割合と1日分

棒の長さは賃金日額に対する基本手当日額の割合(灰色の全幅=100%)。数値は2026年8月1日からの基準による概算。

年収換算180万円〈額面月給15万円〉

30歳 80.0%(約4,000円/日)

62歳 80.0%(約4,000円/日)

年収換算270万円〈額面月給22.5万円〉

30歳 72.4%(約5,433円/日)

62歳 69.3%(約5,201円/日)

年収換算360万円〈額面月給30万円〉

30歳 63.1%(約6,307円/日)

62歳 53.5%(約5,348円/日)

年収換算450万円〈額面月給37.5万円〉

30歳 53.7%(約6,713円/日)

62歳 45.0%(約5,625円/日)

年収換算540万円〈額面月給45万円〉

30歳 50.0%(約7,500円/日)

62歳 45.0%(約6,750円/日)

年収換算720万円〈額面月給60万円〉

30歳 41.4%(約8,270円/日)

62歳 39.2%(約7,830円/日)

例えば額面月給30万円が6か月続いた人は、賃金日額が1万円です。30歳なら基本手当日額は約6,307円で約63.1%、62歳なら約5,348円で約53.5%。同じ賃金でも年齢区分によって計算式が違います。29歳以下、45~59歳にもそれぞれの上限があり、図の30歳・62歳の値を全世代へ当てはめることはできません。

さらに、賃金日額と基本手当日額には年齢別の上限があります。2026年8月基準の基本手当日額の上限は30~44歳で8,270円、60~64歳で7,830円です。図の月給60万円(年収換算720万円)では賃金日額が2万円となり、上限適用後の実際の割合は30歳で約41.4%、62歳で約39.2%です。制度の「50~80%」「45~80%」は計算区分の給付率であり、上限を超える元の賃金に対する実質割合が必ずその範囲に収まるという意味ではありません。

28日分の目安と、最初の入金日は分けて考える

上の30歳・額面月給30万円の例で、失業認定の対象が28日分なら、約6,307円×28日で約17万7,000円です。62歳・同じ給与なら約5,348円×28日で約15万円です。これは28日分の対象日がある場合の比較で、暦の1か月分や毎月必ず振り込まれる金額ではありません。最初は待期や給付制限、認定対象の日数によって少なくなる場合もあります。

ハローワークのFAQでは、給付制限がない人でも最初の振込は求職申込みから約1か月後が目安で、離職理由などで変わります。受給資格、実際の基本手当日額、認定日をハローワークで確認するまでは、まだ入っていない給付を今月の生活費から差し引かずに現金を確保しましょう。病気やけがですぐ働けない場合は基本手当の対象外となり得るため、受給期間の延長を相談できます。

病気・けがで休職するなら、加入先の健康保険を確認

協会けんぽの傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがで働けず、連続3日の待期の後、4日目以降も仕事に就けず、十分な給与を受けられない場合などが対象です。勤務先の担当者と加入先の健康保険者へ条件と申請書を確認します。協会けんぽ加入者は、申請書を加入先の支部へ提出します。別の健康保険なら、その保険者の手続きを確かめましょう。

仕事中や通勤途中のけがは別の制度が関わり、傷病手当金と同じ扱いにはなりません。支給の可否や入金時期が決まるまでは、現金が必要な期間に含めます。

失業後に国民年金保険料が負担なら、免除を申請できる場合も

離職後に国民年金保険料を自分で納める人は、失業等による特例免除・納付猶予の対象になる場合があります。日本年金機構は、失業を確認できる書類を添え、自治体の国民年金窓口や年金事務所、電子申請で申し込めると案内しています。申請と審査が必要で、自動的に支払いがなくなるわけではありません。

備える現金は、今日の残高と次の入金予定日を並べ、家賃・食費などの支払日を一つずつ埋めて決めます。給付や免除を見込むのは、対象・手続き・時期を確認してからにしましょう。

出典・例の条件

制度確認日:2026年10月20日。月15万円と45万円・90万円は説明用の仮定です。図の年収換算は賞与なしの額面月給×12、賃金日額は同額給与6か月分÷180日とした説明用の仮定です。図の円額は公式算式による概算(1円単位に四捨五入)で、実際の認定日数や受給額を保証しません。

この記事の登場人物

美緒のイラスト

美緒29歳

住まいや固定費を見直し、自分の暮らしに合う家計を考える。

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