
賃貸の更新通知に、更新料のほかに「更新事務手数料」。前の部屋にはなかった費用で、何のために払うのか分からないことがあります。二つの請求を分け、契約書のどこに、誰へ何の費用を払うと書かれているかを確かめましょう。
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更新料と、業者の事務手数料は別の費用
更新料は、賃貸借契約の定めに基づき、更新時に借主から貸主へ支払う金銭です。事務手数料は、更新手続きに関わる業者の仕事に対する報酬として請求されるものです。通知の振込先が一つでも、誰が受け取るどの費用なのかを分けて聞きます。
| 項目 | 確認する資料・相手 |
|---|---|
| 更新料 | 賃貸借契約書の更新条項、貸主への支払いの定め |
| 更新事務手数料 | 事務の内容、業務を依頼した人、借主が負担するとした合意 |
| 保険や保証の更新費用 | 保険・保証契約の期間、更新条件、対象となる契約 |
似た名前だから同じ根拠で払うとは限りません。まず通知と契約書を並べ、項目ごとに該当する条項や別契約を探します。
更新料の目安は、家賃1か月分。地域や契約で変わる
更新料がある物件では、家賃の1か月分が目安の一つです。ただし、更新料の有無も金額も契約で異なり、全国共通の料金ではありません。賃貸仲介会社の現行案内も、地域差があるうえで1か月分とするところが多いと説明しています。契約書に「新賃料の1か月分」とあれば、更新後の家賃を基準にするため、家賃の変更も合わせて確認します。
| 地域 | 公表された更新料の平均月数(家賃に対する月数) |
|---|---|
| 東京都 | 1.0か月 |
| 神奈川県 | 0.8か月 |
| 京都府 | 1.4か月 |
この調査は賃貸住宅管理会社への回答で、現在の地域相場を示すものではありません。費用を準備するときは、表の平均に自分の家賃を掛けず、契約書にある月数や定額を使います。更新料がない契約でも、事務手数料・保険・保証契約の更新費用があるかは別に確認します。
事務を頼んだのは誰か、費用を誰が負担すると合意したか
不動産適正取引推進機構は、管理業者は一般に貸主から委託を受けて更新事務を行うため、手数料は貸主が負担すべきものと説明しています。一方、借主が貸主との交渉や更新事務を業者へ依頼した場合などは、その仕事の費用が発生する場合があります。「更新だから当然」と受け取らず、業務の依頼者と、借主が費用を負担する根拠を確認します。
契約書や特約に記載がある場合も、費用名だけでなく、金額・算定方法、説明を受けた内容まで確かめます。通知だけを見て全て有効、または全て無効と結論づけるのではなく、自分の契約の中身を相手に示して尋ねましょう。
条項はあるが、金額や内容が分からないとき
ぐんま住まいの相談センターは、「更新手数料有り」とだけあり金額の記載や契約時の説明がない相談について、内訳の説明を求め、減額等も含めた話合いができると案内しています。書いてあるかどうかに加えて、何の作業にいくら請求するのか、説明を求めることが出発点です。
請求が来たというだけで、必ず断れると考えるのも適切ではありません。逆に、分からないまま払ってしまう前に、契約書の文言と通知の違いを具体的に質問できます。契約書、特約、重要事項説明書、更新通知、これまでのやり取りをまとめて手元へ置きます。
質問は、根拠と内訳が返ってくる形にする
該当条項・業務内容・依頼者・金額の計算方法を、一緒に尋ねると整理しやすくなります。
「通知に更新料と更新事務手数料があります。事務手数料は誰の依頼によるどの業務の報酬で、私が負担する合意は契約書のどこにありますか。金額の内訳と算定方法も教えてください」と確認できます。契約時の説明と違うと感じた箇所は、その資料の写しを添えましょう。
電話で回答をもらったときも、回答日・担当者・説明を記録します。変更や減額で合意できたら、修正後の請求と支払期日を確認します。質問したこと自体で期限が自動延長されるわけではないため、回答待ちの扱いも相談してください。
納得できない場合も、更新通知を放置しない
分からない請求は記録を持って相談し、家賃や更新手続きまで一緒に止めないようにします。
解決しないときは、消費生活センターや住まいの相談窓口へ、契約書と請求内容を示して相談できます。争いになっている費用と、普段の家賃・更新の意思表示を分け、対応期限を確かめましょう。「払うか引っ越すか」の大きな判断を急ぐ前に、まず一つの請求の根拠を明らかにすることができます。
この記事の登場人物

美緒29歳
住まいや固定費を見直し、自分の暮らしに合う家計を考える。