日割り家賃と前家賃は、違う期間の家賃をまとめて払うために並ぶことがあります。二つの項目があるだけで二重払いとは限りません。入居月の一部、翌月、最初の口座引落しが何月分かをつなげると、どこまで支払済みになるかが見えます。
部屋を決め、初期費用の見積書を受け取った。敷金や保険料の下に、家賃に見える項目が二つある。「毎月の家賃は6万円なのに、どうして最初はもっと払うんだろう」。理由は、支払う日と、家賃の対象になる期間が同じではないからです。

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6月15日から住む、家賃6万円の例
以下は説明用の架空契約です。家賃は6月15日から発生し、当月の実日数30日で割り、15日を含む16日分を払う取り決め。初期費用で7月分も先払いし、通常の引落しは7月27日に8月分から始まる設定です。管理費やその他の初期費用は、この計算に含めません。
6月:日割り分
15〜30日:32,000円
7月:前払い分
1〜31日:60,000円
| 明細の項目 | 対象期間 | 金額 |
|---|---|---|
| 日割り家賃 | 6月15日〜30日 | 32,000円 |
| 前家賃 | 7月1日〜31日 | 60,000円 |
| 家賃部分の合計 | 上の二つの期間 | 92,000円 |
6月は6万円÷30日×16日=3万2,000円。7月は一か月分の6万円です。合計9万2,000円は、同じ一か月の家賃を二回払う計算ではありません。6月の残りと7月を、一度の支払いで済ませています。
ここでいう「前家賃」は、将来分を先に払うという支払時期の呼び方。「日割り」は、一か月に満たない期間を日数で計算する方法の呼び方です。見積書によっては、当月の分もまとめて前家賃と表記されるなど、名前の付け方が異なります。金額の行に対象期間が付くと、混乱が減ります。
7月に引き落とされても、7月分とは限らない
この仮定では、初期費用を払った時点で7月分まで支払済みです。7月27日の最初の引落し6万円は、8月分の前払いになります。「7月に払ったから7月分」と考えると、初期費用で払った7月分と重複して見えてしまいます。
| 払うタイミング | 何月分か |
|---|---|
| 入居前の初期費用 | 6月15〜30日+7月分 |
| 7月27日の引落し | 8月分 |
| 8月27日の引落し | 9月分 |
実際には、引落し開始の時期、初期費用に含める月数、口座登録前の支払方法が契約によって違います。7月の引落しがない契約の例を見て、自分もその月は支払い不要と判断しないようにします。
同じ期間が二つに書かれていたら、充当先を確かめる
例えば初期費用の明細に「7月分家賃」、最初の請求にも「7月分家賃」とあれば、上の例と事情が違います。訂正前の見積りなのか、入金が反映されていないのか、別の費目も含むのかは、書類だけでは分からない場合があります。
そのときは、初期費用の確定明細と支払い記録を並べ、「この6万円は何月分へ充てられますか」と管理会社などに照会できます。二つの項目があるから正しいとも、同じ月が書かれているから誤請求とも、即断しない方が確実です。
引っ越し日をずらすだけでは、家賃は減らないこともある
荷物を運ぶ日が20日でも、家賃が15日から発生する契約なら、日割りの開始は15日です。費用を変えるには、契約上の家賃発生日をどこに置くかという話になります。日割りの分母、開始日の数え方、端数処理も契約で決まるため、すべてを30日割りで計算するわけではありません。
今の住まいから移る場合は、旧居と新居の家賃が同じ日に発生する「二重家賃」も別にあります。これは一つの部屋の日割りと翌月分を先払いする話とは違い、二つの部屋の契約期間が重なる費用です。新居の日割りだけが減っても、旧居や移動の費用が増えるなら全体の支払いは減らないことがあります。
最初の見積書で家賃が二つあるときは、「いつ払うか」と「いつの部屋代か」を分けると理解できます。対象期間がつながり、次の引落しがさらに先の月なら、家賃を前倒しで払っている形です。期間が重なるなら、支払済み分の充当先まで確認する。それが、自分の請求を読み解く基準になります。
出典・例の条件
- UR都市機構「家賃を抑えるには?金額の目安や賃貸物件の初期費用を節約するコツ」:2021年7月14日の解説のうち、前家賃と日割り家賃の意味・まとめ払いの場合のみ参照。相場・比率・UR固有制度は本記事の現行条件として不使用。
資料確認:2026年10月18日。画像は説明用のイラストで、人物と場面は架空です。実際の体験や出来事を表したものではありません。