
家賃を上げるという通知が届くと、従わなければ退去になるのかと不安になります。通知だけで判断せず、契約の種類、値上げの理由、開始時期を確かめて回答しましょう。
まず普通借家か定期借家かを読む
契約書の表題だけでなく、期間、更新・再契約、賃料改定の条項を確認します。普通借家の更新と、期間満了で原則終了する定期借家の再契約では、整理する条件が異なります。いまの契約中の増額なのか、更新・再契約時の条件なのかを分けます。
定期借家では賃料改定に関する特約の扱いも重要です。更新の説明を定期借家へそのまま当てはめず、通知と契約書を相談窓口へ一緒に見せると確認しやすくなります。
値上げの理由を、具体的な資料で確かめる
借地借家法では税負担、経済事情、近くの同種の建物の賃料等が増減額請求を考える要素になります。「物価が上がった」「所有者が変わった」という説明だけで、その金額に必ず同意しなければならないわけではありません。いくら上げたいのかだけでなく、何を根拠にその額としたかを聞きます。
| 確認するもの | 相手へ聞くこと |
|---|---|
| 契約書と改定条項 | 契約中の増額か、どの条項に基づく提案か |
| 通知の金額・開始日 | 現行額との差、管理費等も変わるか |
| 値上げ理由 | 税負担、維持費、近隣賃料などの具体的な根拠 |
| 近隣の比較物件 | 地域、駅距離、面積、築年、設備、管理費をそろえた比較か |
募集家賃は新しく借りる人への提示額で、成約済みの家賃や、いまの契約の適正額と同じではありません。条件の違う新築物件一件だけを、値上げの決定的な根拠にしないことが大切です。
納得していないなら、同意を急がず回答を残す
東京都は、一度変更契約等で同意した後に取り消すのは難しいため、理由の説明や相談を求めることを案内しています。「確認中です。理由と比較資料をいただいてから回答したい」と記録に残して伝えられます。
通知日、回答した日、相手から届いた資料を保存します。値上げ額へ同意しているのか、話合い中なのかが曖昧にならないよう、署名する書類や自動引落し額の変更も確認しましょう。
支払いを放置せず、受取拒否や裁判の通知は相談へ
普通借家で増額に争いがある場合、東京都は従来の家賃を支払い、受取拒否なら供託を検討する対応を案内しています。納得できないから家賃を一切払わない、という対応は避けてください。
支払うべき額や供託の要件は個別に確認が必要です。増額を認める裁判が確定した場合の不足額等の扱いもあるため、自己判断で解決済みにせず、自治体の賃貸相談や法律相談へつなぎます。裁判所から書類が届いた場合は期限を放置しないでください。
東京都の賃貸ホットラインは03-5320-4958、都庁開庁日の9時〜17時30分。都外では居住地の住宅相談や消費生活センターへ確認できます。通知と契約、支払履歴をそろえて相談すると、受け入れる部分と交渉する点を具体的に整理できます。
この記事の登場人物

美緒29歳
住まいや固定費を見直し、自分の暮らしに合う家計を考える。