
契約成立前に不動産業者へ預けた申込金は、申し込みを撤回したときに返還を請求できます。
ただし、「契約書に署名していないから、必ず契約前」とは判断できません。まず撤回の意思を早く伝え、契約が成立したとされる時点と、払ったお金の名目を確認しましょう。
目次
まず取り消しを伝え、申込書と入金記録をそろえる
返金の話がまとまるのを待たず、申し込みを取り消したい意思を先に記録に残します。
仲介担当者へ連絡し、電話の後はメールなどでも物件名、申込者名、撤回の意思、申込金の返還希望を伝えます。申込書、預かり証、領収書、振込履歴、審査や承諾に関するメールを保存してください。
契約前の預かり金は、返還を求める
「申込金」「手付金」などの呼び名だけで、返還できるかは決まりません。
契約成立前に不動産業者から求められて払ったお金は、預かり金として扱われます。申し込みを撤回する場合は、業者に返還を求めましょう。「キャンセルだから没収」と言われたら、何の費用を、どの根拠で差し引くのかを尋ねましょう。
一方、契約準備の事情によっては別途損害賠償が問題となることもあります。返還すべき預かり金と、相手が主張する費用の根拠は分けて確認し、請求を受けたら書面を残して相談してください。
署名の有無ではなく、合意の経緯を確認する
通常の賃貸借契約は、書面がなくても双方の合意によって成立し得ます。
いつ契約が成立したかは、申し込みの内容や貸主の承諾、条件に関するやり取りなど、具体的な事情から判断されます。審査通過や署名だけを一律の境目にせず、相手が「契約済み」とする理由を確認しましょう。
取り消し時に分ける確認
| 確認するもの | 見るところ |
|---|---|
| 成立前 | 預かり金の返還額・予定日 |
| 成立後 | 中途解約条項・精算内訳 |
| 成立時点に争い | 合意の経緯・相手の説明 |
更新のない定期借家など、書面や説明に固有の要件がある契約もあります。契約の種類まで分からない場合は、書類一式を相談窓口に持参すると話を進めやすくなります。
契約後は、解約条件と費目別の精算を見る
賃貸住宅の契約は、原則としてクーリング・オフで無条件に白紙へ戻せる取引ではありません。
借主から途中で解約できる条項があれば、その予告期間や費用を確認します。条項がなければ、貸主との合意による解消などを検討することになります。まだ入居していなくても、家賃や解約に伴う負担が生じ得ます。
解約の意思と希望日を伝える
中途解約条項と必要な通知方法を確かめる。
精算を費目別に出してもらう
家賃・敷金・礼金・仲介手数料などを分け、返還と請求の根拠を見る。
説明と書類が合わなければ相談する
契約書、入金記録、相手の回答をまとめ、消費者ホットライン188などへ。
初期費用が全部戻る、または全部戻らないとは一括りにできません。成立時点や費用に争いがある場合は、その場で追加の支払いを約束する前に、消費生活センターや不動産取引の相談窓口で具体的な書類を確認してもらいましょう。