
子どもでも、入院した親の預金を自由に引き出せるわけではありません。まず、親が支払いの意思を伝えられるかを確認し、取引銀行へ相談しましょう。
親が来店できない場合と、意識がなく意思を確かめられない場合では、銀行が確認する内容が異なります。病院の請求額と期限を手元に置き、親の状態と、誰が何の費用を払うために相談しているかを伝えます。
目次
最初の相談では、親の状態・請求額・期限を伝える
急ぐ支払いがあるなら、必要書類を自己判断で全部集める前に、口座のある銀行へ電話しましょう。
親の取引支店が分かれば支店へ、分からなければ公式の問い合わせ窓口へ連絡します。「入院して来店できない親の口座から、本人の医療費を支払いたい」と用件を伝えてください。
相談のために手元に置く情報
| 項目 | 伝えること |
|---|---|
| 親の状態 | 会話・意思表示の可否、来店できない事情 |
| 口座と代理人 | 分かる範囲の支店・口座、届出済み代理人の有無 |
| 支払い | 請求者、請求額、使途、期限、振込先 |
| 相談する家族 | 本人との続柄、連絡先、来店できる日 |
電話で残高まで教えてもらえるとは限りません。最初の目的は、家族として事情を説明し、来店方法と、本人確認・代理手続きに必要な資料を案内してもらうことです。
本人が意思を伝えられるなら、銀行の代理手続きを確認
入院していても、親が支払いの内容を理解し、自分の意思を伝えられるなら、銀行がその意思を確認する方法を相談します。来店できないことだけで、直ちに成年後見が必要と決まるわけではありません。
委任状や届出済みの代理人を使えるか、本人への確認方法も含めて銀行に聞きましょう。
委任状の様式、本人・来店者の確認書類、通帳や届出印など、求められるものは銀行と取引内容によって異なります。親が任せたい内容を確認し、銀行の案内する様式と手順で準備します。
意思を確認できない場合も、医療費の支払いを相談する
突然の病気などで親が意識不明になり、代理権のある人もいない場合、銀行が本人のために必要な医療費などの支払いに対応することがあります。家族なら必ず現金を受け取れる制度ではなく、個別の事情を確かめたうえでの限定的な対応です。
請求書を準備し、親の口座から病院へ直接支払う方法も相談しましょう。
銀行業界の考え方では、本人の状態、家族との関係、本人のための費用かどうかなどを確認し、費用を請求した先への直接払いを基本としています。金額や回数に制限が付く場合もあります。
診断書の写しや請求書、家族関係を示す書類など、何が必要かは銀行に聞いてから揃えます。医療機関に新たな書類の作成を頼む前に、手持ちの資料で足りるかも確かめましょう。
支払いが続くなら、今後の管理方法も一緒に相談
期限のある請求を整理する
銀行と病院に、支払期限と現在の手続き状況を伝えます。
代理人や後見人を確認する
すでに選任・届出済みなら、その権限に沿う銀行手続きを確認します。
長期の管理方法を相談する
判断能力の低下が続く場合は、銀行に成年後見制度などの案内を求めます。
成年後見制度は、本人の判断能力や必要な支援に応じて財産管理などを支える仕組みです。緊急時の払出しに対応してもらえた場合も、そのまま家族が長く自由に管理できると考えず、継続する医療費や生活費をどう扱うかを相談します。
支払った後は、請求書・振込控え・立替えた場合の領収書をまとめておきます。誰の何の費用を、どの資金から支払ったかを追える形にしておくと、親本人や他の家族への説明にも使えます。