机に置いたスマートフォンを一緒に見ながら、落ち着いて話す千尋と陽菜

スマホを持たせるなら、何を決めておけばよいのでしょう。時間だけ決めても、写真を送る、ゲームで買う、知らない相手から連絡が来る、といった場面は残ります。使う時間に加え、写真・購入・相談の手順と、親が守る約束も一緒に決めます。

目次
  1. 子どもの声から、ルールの意味を考える
  2. 「無料で遊んでいるはず」が、1,500,000円以上の課金につながった相談
  3. 悪口の投稿が続き、1,000,000円で示談した中学生の事例もある
  4. フィルタリングと購入承認は、一緒に動作を確認
  5. トラブルの話をしやすい関係を残す
  6. 約束は使い始めてから見直してよい
  7. 出典・確認した条件

子どもの声から、ルールの意味を考える

こども家庭庁の2025年リーフレットは「こども若者★いけんぷらす」で寄せられた声を紹介しています。決められた時間は堂々と使いたい、ネット上の悪口はいけない、知らない相手への返信前に保護者へ相談する、といった考えです。子どもが何をしたくて、何を心配しているかを聞くところから始められます。

掲載時に一部調整された意見で、全国の小学生の代表割合ではありません。使いたい目的や友達との連絡を聞き、年齢・理解に合う言葉で、なぜそのルールが必要かを話します。

親子で決めたい場面と約束
場面子どもと決めること親が守ること
写真・動画友達の顔、制服、家や居場所が分かる物は、送る前に相談する子どもの写真を家族外へ出すときも本人へ聞く
アプリやゲームの購入無料表示でも購入画面や追加課金は、進む前に確認する金額と承認方法を具体的に決め、カード情報を管理する
知らない相手・嫌な連絡返信や会う約束をする前に相談する話を聞き、相談したことだけで怒ったり即座に取り上げたりしない
利用時間食事・就寝・勉強等と使う目的を合わせて決める同じ場面の自分の使い方も見直す

「無料で遊んでいるはず」が、1,500,000円以上の課金につながった相談

国民生活センターが2021年に公表した相談では、小学生の兄弟が家族共有のタブレットから、登録されていたクレジットカードで1,500,000円以上をゲームに使っていました。決済メールはゴミ箱へ移され、保護者が気づくのが遅れています。2024年公表の別の相談では、10歳未満の小学生が、親が以前使っていたスマホへ自分の指紋を登録し、約50,000円を課金していました。

課金を禁止する約束だけでなく、子どもが使う端末から本当に購入できないかを、親が確認します。使わなくなった端末も、カード登録・購入認証・アカウントの状態を見直す対象です。支払通知は親自身が確認できる端末や連絡先で受け取ります。

いずれも実際に寄せられた相談で、資料に最終的な返金額は示されていません。無断課金を見つけたら、購入履歴・日時・端末・使った人を整理して、アプリの運営窓口へ連絡し、消費者ホットライン188にも相談します。「子どもがしたから必ず取り消せる」とは考えず、請求や通知を消さずに残してください。

悪口の投稿が続き、1,000,000円で示談した中学生の事例もある

2022年に公表されたデジタルリテラシー向上機構の独自取材では、中学2年生が、同級生による写真・動画共有サービス上の繰り返しの中傷で学校へ通えなくなった事例が報告されています。投稿者を特定した後、被害側は1,500,000円を請求し、最終的には1,000,000円で示談したとされています。

これは小学生の判決例ではなく、中学生のトラブルについての取材報道による示談例です。全国の示談金の相場や、投稿すれば一律この額になるという意味ではありません。子どもの心身への影響に加え、相手の特定や対応にも時間と費用がかかり得ることが分かります。

「悪口を書かない」に加えて、友達の悪口に加わらない・嫌な投稿を一人で抱えない、まで話します。嫌な投稿を見つけたら、相手を言い負かそうと返信する前に、画面・投稿日時・投稿先を保存して大人へ相談します。親は本人の安全と気持ちを確かめ、学校やサービスの通報窓口、必要に応じて法律相談などへつなぎます。請求を受けた側も、子どもだけに説明や交渉をさせないでください。

フィルタリングと購入承認は、一緒に動作を確認

安全機能は、言葉の約束を支える道具です。設定したかだけでなく、子どもの端末で何が制限され、困ったときにどう伝えるかを一緒に確認します。

年齢に合うフィルタリング、アプリの年齢区分、購入承認、位置情報や写真公開の設定を見ます。端末・OS・通信会社で機能が異なり、ブラウザだけでなくアプリ内でも連絡ができることがあります。設定だけで全て防げるとは考えず、必要な連絡が止まったときの相談方法も決めましょう。

トラブルの話をしやすい関係を残す

「困ったら見せてくれてよい。先に話を聞く」と、親の対応も約束します。

失敗すれば全部禁止になると思うと、子どもは隠したくなるかもしれません。嫌なメッセージや請求を見つけたら、まず安全を確認し、画面や購入履歴等を保存して、サービスや学校等の必要な窓口へ相談します。相手と保護者が直接けんかを始めたり、子どもに一人で解決させたりしないようにします。

約束は使い始めてから見直してよい

行事の連絡、学習、友達とのやり取りなど、使い道は変わります。守れなかったときは、理由と設定・約束のどこを変えるかを話し直します。

時間の長さだけを争う前に、終わりづらいゲームなのか、連絡が続くのか、必要な学習なのかを聞いてください。親も約束を守り、本人が説明しながら使い方を選べるよう、少しずつ調整していきましょう。

この記事の登場人物

千尋のイラスト

千尋35歳

学校の支払いや備蓄品を、時期を見ながらそろえる。

陽菜のイラスト

陽菜9歳

絵を描くのが好きな小学生。

次に確認したいこと

「スマホ・移動・見守りの安全」の記事を探す

← 子育ての記事一覧へ